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2003/12/30

コミックマーケット65

 昨日は、コミックマーケット65に出かけた。今回は二日目のみ。
 「鋼の錬金術師」が盛り上がっていたようだが、気にせず「十二国記」と歴史系を中心に回った。「十二国記」は、アニメの地上波放送のおかげか、人出が戻ってきたようでなにより。そのかわり、中堅クラスのサークルに、ちょこちょこと列ができていて、じっくり本が見られなかったのが残念。それにしても、原作の新刊がないと、本を作る側はつらいよなあ。小野不由美先生、来年は、なんとかしてくれないものか。
 歴史系は、相変わらず落着いた雰囲気。大河ドラマの動向次第で、来年は動きがあるかなあ(個人的には、新撰組ものは、あまり好みではないのだが)。あと、何となく小説系が多くなってきたような気も。文字中心のジャンルになりつつあるんだろうか。
 その他、「マリみて」も、ざっと見てまわったが、なるほど、本当に男が作って男が買うジャンルなんだなあ、と実感(人のことはいえんが)。ぱらぱらと見てまわった限りでは、大部分のサークルが、キャラクターとの距離感をつかみかねているような印象。何というか、いわゆる「萌え」系のキャラクターと違って、「内面」があるものとして描かれているからなあ。そこを深く読み込んで自分の解釈を表現するのも、単なる欲望の対象と割り切るのも、どちらも難しいのかもしれない。

2003/12/28

マリア様がみてる

 今野緒雪『マリア様がみてる』(集英社文庫COBALT-SERIES)シリーズを、初代薔薇さま卒業編まで読了。最新刊まで、ゆっくり読もうっと。
 著者の『夢の宮』シリーズは結構好きで読んでいたのだけど、こういう話でブレークするとはなあ。著者本人は狙っていたのだろうか。
 幼稚園から大学までの一貫教育が売りの私立女子高で、上の学年の生徒と下級生との間に一対一の「姉妹」関係があって、というだけでもすごいが、さらに、生徒会の役員は、紅、黄、白の三色の薔薇になぞらえて呼ばれ、その「妹」が「つぼみ」と呼ばれ……とくれば、現実離れしたお伽話になってしまうところ。
 が、その仕掛けが見事なまでに効果的だったりする。つまり、高校の3学年に対応して、薔薇ーつぼみーつぼみの妹、という系統が、紅、黄、白の三つ存在することになるわけで、その中には、「姉妹」関係が、六つ存在することになる(実際には、物語の仕掛け上、数は少なくなっているのだが)。さらに、同じ学年どうしの関係という切り口もあるし、色の系統をクロスした関係も当然ありえるわけで、うまくキャラクターを配置することができれば、物語は作者の腕次第でいくらでも広がりうる。
 後は、学園ものの定番イベントごとに、このキャラクター関係図をどうはめこんで、描き出していくのかが勝負だ。で、これが、実にいい仕上がりだったりするわけだな。
 お菓子を並べるのがティッシュの上だったり(これが豪華なティーセットだったりしないところがお見事)、妙に生活感あふれる描写があることで、単なるお伽話になりそうな物語世界を、こっちの世界にギリギリのところでつなぎ止めているのもおいしい。
 もちろん、「姉妹」における疑似(?)恋愛が、絶妙の調味料になっていることも確かで、世のコミュニケーション・スキルの低い男性(私も人のことをとやかく言えないが……)が、はまってしまうのもむべなるかな。男性にとってはある種安全なファンタシーとしての魅力があることは否定しがたい。
 しかし、コバルト文庫にとって、そういうところで(も)うけてしまうのはどうなんだろうか(といいつつ、自分も読んでいるわけだが)。うーん、氷室冴子や久美沙織全盛期のコバルトが好きだった者としては、複雑な気分ではある。登場人物と同世代(あるいはもう少し下の世代)の女の子にとっても魅力的であるのなら、それはそれでよいのだけれど。

2003/12/27

「アジア」はどう語られてきたか

 子安宣邦『「アジア」はどう語られてきたか 近代日本のオリエンタリズム』(藤原書店, 2003)を読了。
 藤原書店が出している雑誌、『環』の連載をまとめたものだけに、時事ネタへの言及も多い。その割に、時間が経ってからこの本を読む人に対する配慮が少々足りないような……。編集サイドで、注記や補記を補うような配慮をしてもよかったのでは。
 という減点ポイントはあるものの、福沢諭吉、内藤湖南といった、近年(福沢諭吉は別に近年でもないか)の再評価に対して、特に中国への視線、というポイントから、徹底した批判を繰り広げていく議論はかなり爽快。(大日本)「帝国」の論理に対する厳しい姿勢はこれまでと変わらず、一貫している。
 おそらく、最も話題になりそうなのは、発表順を崩して巻末に置かれた『国民の歴史』批判なのかもしれないけれど、むしろ、戦前の日本の東洋学者を巡る議論の方が、私には刺激的だった。江戸ネタもいいけど、もっと近代ネタをやってほしいなあ。
 こっちが慣れてきたせいもあるかもしれないが、なんとなく、著者の他の本よりも読みやすいような気も。講演原稿を元にしたものが多いからかな? そういう意味では、子安宣邦入門編としてもお勧めしやすい一冊かも。

初トラックバック

 ココログを開設した直後に、トラックバックがついていてびっくり。

 MAL Antenaあ、気になる!で、取り上げていただきました。その気にさせる、さりげないコメントがうまいなあ。見習わなくては。
 さらに、ふと耳にした音の数々オンステージヤマノ閉店でも、オンステージ・ヤマノ池袋パルコ店の閉店について取り上げられていることもここで教えてもらいました。根強いファン層があっても、それだけでは商売として成り立たないってことか……。

(ありゃ、文字化けが……再度修正して登録しなおしました)

2003/12/26

芳林堂とオンステージ山野

 今年(2003年)の末、池袋から二つの店が消える。
 一つは、芳林堂書店池袋店であり、もう一つは、オンステージ・ヤマノ池袋パルコ店である。

 芳林堂書店については、既に「[本]のメルマガ」などでも取り上げられているが、ふらりと立ち寄ってふらりふらりと店内を巡るにはちょうどいい規模で、しかも結構渋い新刊をチェックできる、非常に私好みの本屋であった。しかし、ジュンク堂、リブロ、旭屋相手では分が悪かったか……。残念。人文棚、好きだったんだけどなあ。
 今日、お別れを兼ねて立ち寄ってきたところ、既に棚はすかすか。新刊の入荷状況も悪い(当然といえば当然だが)。それでも、何冊か餞別がわりに買い込んできた。
 多分自社ビルだったと思われる芳林堂ですら、維持しつづけることができないということは、中小規模の書店(以前なら、芳林堂は大規模だったはずなのだが…)が生き残る道はどこにあるのだろう。

 オンステージ・ヤマノの方は、マニアックな品ぞろえがなんともいえないCDショップで、60年代、70年代のロック、ポップス好きにはたまらない店だったのだが、今日、ふらりと立ち寄ったら、これまた棚がすかすかに……。もしや、と思ったら、やっぱり年内で閉店だった。これでもう、パルコに行くことはないかもしれない。ここでも餞別がわりに何枚か買い込んできた。トニー・ハッチの3枚組ベストとか、他のところじゃ何組も置いてくれないよなあ。これからどうすればいいのやら。
 オンステージ・ヤマノは、限られたスペースの中でそれなりに選ばれた品ぞろえを展開する、という、セレクトショップ的な性格を持っていたと思うのだが、音楽CDでは、利ざやが小さ過ぎて、セレクトショップは成り立たないのかもしれない。

 何にしても、またさらに世の中が少しつまらなくなってしまった。どうして、私の愛する店は消えていってしまうのだろう。……むしろ、贔屓にしない方がいいのか?

芳林堂書店
http://www.horindo.co.jp/

山野楽器
http://www.yamano-music.co.jp/

[本]のメルマガ
http://www.aguni.com/hon/index.html

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