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2004/05/31

国立情報学研究所(NII) オープンハウス

 今日は、趣味と仕事を兼ねて国立情報学研究所のオープンハウスに出かけてきた。本来は明日6月1日の方が主なイベントが集中しているのだけれど、今日の夕方しか時間がなかった。結局、発表展示(ポスターとデモ)だけを見ただけだったりする。それでも、さすがに色んなことをやっていて何だか楽しい。
 図書館屋的には、書棚のメタファー(現実の配置と、検索結果集合を表示する仮想の書棚を行ったり来たりできる)を使った図書検索システムを卒論で作って、修士の研究ではより抽象的な関連性表示のインターフェースを研究している人がいて、なるほどなあ、と関心したり。ただ、抽象度が上がれば上がるほど、とっつきは悪くなってしまうような気もする。抽象度の高いインターフェースが受入れられるには、もうしばらく試行錯誤の時間が必要なのかも。
 その他、図書館関連では、ディジタル・シルクロード・プロジェクト(特に東洋文庫所蔵貴重書ディジタルアーカイブ)が、おお、こんなことをこんなに進めていたのか、という感じでちょっとびっくり。
 研究部門以外にも、プロジェクト/開発・事業部の発表では、引用文献文字列の自動解析から始まって、引用文献の記述がバラバラなものを自動的に高い精度で同定し、引用文献によって関係付けられた論文間の関係をビジュアルに見せる、という一連の流れについての研究開発に関しての発表があったり。実用化まであとどのくらいまでのところまで来ているのかなあ。
 汎用連想計算エンジン(GETA)を使った検索が、色々なところに取り入れられていて、文化遺産オンライン(どこが開発したのかと思ったらNII絡みだったのか…って、URL見ればわかることだったか)の連想検索もこれだったことが判明。また、夏に向けて、分野ごとの関係性をビジュアルに見せる、というインターフェースのプロトタイプとして、入手可能な新書(岩波新書、とかの「新書」)数千冊にキーワードと書評を(オリジナルで)付したデータを使った「新書マップ」の公開の準備を進めているとのこと。将来的にはWebcat Plusとも連携させたい、といった話も飛び出していて、今後の展開が楽しみだったりする。
 図書館と直接関係のないところでは、国産のポータルサイト構築システムNet-Commonsのデモ(遠隔教育への応用が一つの柱になっていることが特徴)が面白かった。でも、NTTデータポケットとの共同開発なので、最終的には有償販売になるらしい。このあたりが、企業との共同開発の難しいところだなあ。あんまり高くなければいいけど。
 雑多といえば雑多だけれど、一ヶ所で作られた成果が他の試みや事業にどんどん取り込まれていくあたりは、研究部門と事業部門が一つにまとまっている強みなのかもしれない。全ての研究が事業として生き残るわけではない、ということを、ちゃんと金を出す側(文部科学省?)が理解していれば、当分の間は楽しませてくれそうな気がする。
 あ、そういえばセマンティック・ウェブの発表は英語のみだったので、詳細はよくわからず。なんだか面白そうだったんだけどなあ。

(2004年7月1日追記)
 上で触れている新書マップが6月30日に公開された。デモの時には、自分で触ってみたわけではなかったので、インターフェースが結構新鮮。
 同時に新書マップと連動した(を補完する、かな?)Webマガジン「風」も公開されている。本読みにはこっちの方がより面白かったりして……。

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