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2004/05/04

24時間戦いました 団塊ビジネスマンの退職後設計

 布施克彦『24時間戦いました 団塊ビジネスマンの退職後設計』(筑摩書店ちくま新書, 2004)を読了。
 うーむ、評価が難しい。一応、団塊の世代以外も読み手として想定されてはいるものの、主な読者として想定されているのは、著者自身が属している団塊の世代。特にその中でも企業に勤めるビジネスマンとして生きてきた男性が想定されている。
 団塊の世代の辿ってきた時代と、前後の世代との比較について触れながら、団塊の世代を悪者にするのではなく、その功績と可能性を語る、というのが一つの柱。その一方で、デジタルの時代に適応できない団塊の世代の限界を指摘しつつ、もう団塊の世代は新しい時代のリーダーにはなれない、下の世代に譲るべきだ、と著者は指摘する。まさに飴と鞭。
 著者自身、入念な準備期間を置いた上でライターとして独立しているだけあって、これまでの企業の中での出世レースとは異なる、別の道(趣味でも起業でも)を確保すべきだ、というのが、著者の主張になる。個人的には、あの世代に多く見られる、組織内における旺盛な出世欲とか上昇志向が、そんなに簡単に解消されるとは思えないような……。とはいえ、退職後の団塊世代の問題は、自分たち自身で解決すべきだ、という主張は、後続世代にも参考になるかも。
 世代論にどれだけの有効性があるのか、という話もあるけれど、それなりにカタマリとして語られ続けてきた団塊の世代が、どのように社会の一線から身を引いていくべきなのか(そして、下の世代はそれにどう付き合っていくべきなのか)、という一つの提案として読むとそれなりに面白い。が、問題は、著者も指摘しているように、団塊の世代のさらに前の世代が企業や団体のトップでありつづけている、というところにあるのでは。
 と、いうところで、終ろうとしてふと思ったのだけれど、むしろ、下の世代に対しては、お前たちは組織をひっぱる側になれるのか、という問い掛けになっているのかもしれない。そう考えると、意外に深い一冊か。

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