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2005/06/21

Musical Baton

 さて、「日々記―へっぽこライブラリアンの日常―」から、Musical Batonがやってきた。うーん、チェーン・メールの類いは丸めて捨てる主義者なので、どうしようかちょっと悩む。
 というわけで、自分の分は書くけど、バトンは渡さない、というお役人的玉虫色解決に決定(あ、MIZUKIさんには特に他意はないです。趣味の問題、ってことでご容赦を)。
 まあ、オレに回せー、というリクエストがあれば考えないでもないので、友人・知人の方でMusical Batonを待ち望んでいる人はご一報を。
 それにしても、何となく書いてみたくなるこのテーマ設定を考えた人はお見事ですな。

・Total volume of music files on my computer (コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量)
 11.27GB。使っているiPodの容量が15GBなので、そろそろピンチかも。

・Song playing right now (今聞いている曲)
 今は聞いてないんですが、帰りがけに最後にiPodでかかっていたのは、The Rolling Stones "Tumbling Dice"。

・The last CD I bought (最後に買ったCD)
Jimmy Webb "Twilight of the Renegades"
Giles, Giles & Flipp "The Cheerful Insanity of Giles, Giles & Flipp"
V.A. "Beach Boys Best of Tribute"


・Five songs(tunes) I listen to a lot, or that mean a lot to me (よく聞く、または特別な思い入れのある5曲)
○大滝詠一/君は天然色
 音楽の聞き方というか趣味を変えた一曲。
○The Beach Boys/Wendy
 ビーチ・ボーイズで一曲選ぶならこれ。
○The Everly Brothers/Crying in the Rain
 ケイデンス時代も好きですが、一曲選ぶならワーナー時代のこれを。
○Manfred Mann/My Name is Jack
 英国系は10ccかELOかThe Zombies、という手も考えましたが、これで。
○NRBQ/Ridin' in My Car
 現役のバンドとしては、NRBQが一番。一曲選ぶならこれかなあ。

2005/06/18

僕の見た「大日本帝国」

 「歩行と思索」のエントリー「僕の見た「大日本帝国」を読んで以来、ずっと気になっていた、西牟田靖『僕の見た「大日本帝国」 教わらなかった歴史と出会う旅』(エビデンス・コーポレーション株式会社情報センター出版局, 2005)を先日読了。
 実は、手元にあるのは初刷。買うだけ買って積んでおいた一冊だったりする。著者のブログ「斜め下45度から」については、以前、ちょっとふれたことがあったけれど、特にその後ちゃんとフォローはしていなかったこともあって、本書を店頭で見た時、あれ? 何だか似たようなことを書いてる人がいるなあ、と思って購入。後で確認したら当人の本だったという。さすがにこんなことをやっている人は、そうそう何人もいなかったか。
 本書は、かつて大日本帝国の版図だった地域(樺太・台湾・朝鮮・南洋群島・満洲)を巡って、日本人が残してきた足跡を探し歩いた著者の旅行記だ。朝鮮半島から樺太に渡り、戦後はソ連領となった地域に行き続ける人たちと出会い、台湾で日本の軍人としての誇りを日本語で語る老人の話を聞き、韓国では日本人への怒りを韓国語でぶつけられ、北朝鮮では改変された歴史の跡をかすかにさぐり、中国東北地方では今も使われる日本の建物を訪れ、南洋群島(ミクロネシア)では再建された神社に驚く。そうした出会いの過程を、若干の写真とともに語る一冊。
 最初は偶然の出会いだったものが、徐々に事前の文献調査をした上での取材になっていくのだけれど、もちろん調査レポートでもないし、歴史書でもない。むしろ、当時を知る現地の人たちが、今、日本をどう語っているのか、当時をどう思っているのかや、当時の日本が作った建物などが、今どう扱われているのか、それを体当たりで感じていく部分が中心。もちろん、体当たりしたからといって、全てを理解し、つかむことができるわけではないのだけれど、それを自覚した上で、体当たりしていくあたりが、何ともいい感じ。
 一歩間違えば、非生産的な思想戦に巻き込まれかねないテーマであるにもかかわらず、著者の身のこなしは見事で、どちらからとも絶妙の距離感を保っている。どちらの立場に立っていようがいまいが、とにかく、あの時代のことを、全部なかったことにしたり、一面的なレッテル貼りだけで済ますのだけは勘弁してほしい、と思う全ての人にとって、貴重な一冊だと思う。
 個人的には、ミクロネシア編(南洋群島)が、知らないことが多かったこともあって、新鮮だった。戦前の資料(小説を含む)に、妙に「南洋」という言葉が含まれているものが多いような気がしていたのだけれど、何となく納得。ついつい、東アジアにばかり目がいってしまうけれど、戦前期日本における南洋群島の位置づけを甘く見てはいかんなあ。
 姉妹編のビジュアル版の刊行も決まったそうで、こちらにも期待。

2005/06/14

思想 2005年5号 科学技術と民主主義

 しばらく前に読み終わっていた『思想』2005年第5号[no. 973]を。特集は「科学技術と民主主義」。目次については、こちらを参照。書きそびれていたら、もう6号が出てしまった……。
 著者の一人でもある平川秀幸さんのブログ「Mangiare!Cantare!Pensare!」のエントリー「岩波『思想』—「科学技術と民主主義」特集」によると、「最初の5論文は、昨年度末で終了した社会技術研究システムの公募研究「公共技術のガバナンス:社会技術理論体系の構築にむけて」(代表:藤垣裕子:東京大学大学院総合文化研究科広域システム科学系 助教授)の最終報告書に書いたものを縮めたもの」とのこと。しかし、こういう公的助成を受けて行われた研究の報告書を公開していく仕組みがないのは、何とかならないものか……などと書くと、他人事じゃないだろう、と突っ込まれそうだけれど。ほんとに何とかできんかなあ。
 さて、余談になるのだけれど、メモも兼ねて「社会技術研究システム」について。「社会技術研究システム」というのは、文部科学省の主導で平成13年7月に設置されたもので、現在はJST(科学技術振興機構)が運営する社会技術研究開発センターという名称になっている模様(ん? それとも「社会技術研究システム」の活動の場が「社会技術研究開発センター」なのかな? 関係がよくわらかない……)。実施する研究活動は、ミッション・プログラムと、公募型プログラムという二つの種類の研究プログラムに分けられていて、今回の特集の元になったものは、公募型プログラムの方、ということになる。もともとは、科学技術庁系の研究助成の仕組みだったようで、ミッション・プログラムは日本原子力研究所、公募型プログラムは科学技術振興事業団、という棲み分けだったみたいだけれど、各種政府系法人の統廃合によって、現在はJSTに一本化されている。ここ数年、国の文書にちょこちょこ(?)と出てくる「安全・安心な社会」という目標実現のための施策の一つ、という位置づけになっているようだ。
 で、本題。この「最初の5論文」は、現在にいたるまでの論点を整理して、問題点を浮き彫りにする、レビュー的な性格が強い。
 小林傳司「科学技術とガバナンス」では、科学の自律性を強調するマイケル・ポラニーの「科学の共和国」論と、その後の科学技術と社会の関係の変化を反映したアルヴィン・ワンバーグ(Alvin M. Weinberg)の「トランス・サイエンス」論を対比的に論じつつ、「統治」から「ガバナンス」への変化を論じている。と、キーワードだけ並べても知らない人にはなんのことやらだが、めちゃめちゃ端折ると、科学技術は社会に対してその成果を提供していればよいのだ、から、科学技術そのものが社会問題の原因となっている以上、科学技術の中身についても様々な社会構成員の協力や合意が必要なのだ、への変化、みたいな感じ。ただし、「新たなガバナンスのもとでわれわれができることは、「納得のいく失敗の仕方」に過ぎないかもしれないのである」と、釘を刺すことも忘れない。
 藤垣裕子「「固い」科学観再考 社会構成主義の階層性」は、「社会構成主義」入門編、という趣もあり。「社会構成主義」というと、ソーカル事件などをきっかけに叩かれたこともあって、特に理系の人には評判が悪いのかもしれないが、ここでは、「社会的に構成される」という場合には、「すべての科学的事実は社会的に構成される」といった認識論上の話から、「事実を記述する変数はどのように選択され、それが固定されているのか」といったレベルまで、様々なレベルが存在することを指摘して、十把一からげに切り捨ててしまうことで、様々な議論の可能性が失われていることが論じられている。欧米の科学論の展開と、日本におけるそれを比較しながら、日本の科学論では、社会構成主義と市民運動論の関係が、欧米とは異なる様相を呈していることを示す、といった部分もあり。
 平川秀幸「リスクガバナンスのパラダイム転換 リスク/不確実性の民主的統治に向けて」では、リスクアナリシス、あるいは、リスクガバナンスについての考え方の変化を、リスクガバナンスの民主化モデルが確立していく1990年代を中心に、米国、FAO/WHO、欧州それぞれにおける代表的な報告書の概要を紹介しつつ、論じていく。市民参加礼賛、といった単純な話ではなく、社会的に大きな影響力を、現実問題として持っている科学技術を、いかに「政治的に捕捉」するのか、という問題が、様々な角度から検討されているのがポイントか。
 杉山滋郎「科学コミュニケーション」は、公衆と科学者との関係を、欠如モデルと文脈モデルという二つのモデルを軸に論じている。その一方で、科学者の間のコミュニケーションも絡めて、より一般化された意味での科学コミュニケーションの問題を、英語と日本語による科学研究とその成果の発表という切り口からも検討。英語での発信が重視されることを踏まえつつも、日本語での発信の必要性についても論じているところが示唆的。
 綾部広則「岐路に立つ科学批判」では、戦後の日本における科学批判の系譜を素描しつつ、その特徴と今後に向けての課題が整理されている。そうか、廣重徹の科学論の歴史的位置づけ(の一つ)って、こうなるんだ、と思わず膝を叩く感じ。民科(民主主義科学者協会)が先行してあった上での廣重科学論というのは、なるほど、いわれてみて初めて納得。
 で、残る二編は、社会技術研究システムとは別口らしい。より各論的な切り口の論文が並んでいる。
 林真理「脳死臓器移植問題の社会的側面 法「改正」論争の周りで」では、「臓器移植法」成立前後から、「改正」に向けての動きが表面化していく過程を、様々な関係者の動きを丁寧に追うことで明らかにしつつ、問題点を指摘している。まだ動き続けている問題だけに、いつ書いても、途中経過的なものにならざるをえないのは止むを得ないのだけれど、この後の、「改正」案が出てくる過程と、その後の動きまで含めた続編が読みたくなる。
 尾内隆之「「円卓会議」の記憶を掘り起こす 原子力政策における「合意形成」問題再考」は、もんじゅ事故をきっかけに設置された「原子力政策円卓会議」の経緯や議論された内容、そしてのその影響などについて、残された様々な資料や証言から、描き出している。いくらやっても無駄だ、と投げ出すのではなく、こうした地道な検証作業が、次につながっていくことを期待。
 全体として、総論・各論織り交ぜた論集と考えれば、何ともお得な一冊(書評も関連のものでそろえられている)。既にバックナンバーになってしまったけれども、恐らく、今後繰り返し参照される号になるのでは。

2005/06/12

古義堂文庫展

 昨日は、天理ギャラリーへ「古義堂文庫展 伊藤仁斎没後三百年を記念して」(会期:2005年5月15日〜6月12日)を見に出かけた。お昼はすぐ近くのうどん屋「野らぼー」で。何となく、以前食べた時より麺がやわらかいような……。
 それはさておき、本題の「古義堂文庫展」は、伊藤仁斎・伊藤東涯関係資料がやたらと充実。冒頭には、古義堂文庫が寄贈された経緯についての文章や、当時の東洋学研究の第一人者を対象とした1942年の古義堂文庫展の写真(資料がむき出しで机の上に並んでいる写真があってびっくり)、そして、詳細な記述が恐ろしい『古義堂文庫目録』(天理大学出版部, 1956)が並んでいたのだけれど、図録にはそのあたりの図版は収録されていない。残念。
 解説が非常に細かくて、仁斎が出不精でインドア派だったこととか、東涯の博覧強記というか雑学王ぶりとかがうかがえて、ついつい、楽しんでしまう。江戸期の知識人は幅が広くて面白いなあ。また、展示されている著作の原稿には複数のバージョンがあり、繰り返し修正が書き込まれている様子がわかるようになっている。さらに刊行された版の手沢本にまた書き入れが……。その徹底した推敲ぶりに思わず感嘆。旧蔵書には、五山版、元和勅版、古活字版、さらに宋版まであって、これだけでも眼福もの。
 点数は60点程度とコンパクトな展示だが、とにかくモノがいいのは強い。次回展示は、天理参考館の方の所蔵資料らしいが、また、図書館側の展示をやる時に見に行くことにしよう。その時には、「野らぼー」の麺が復活しているといいなあ。

2005/06/04

クリエイティブ・コモンズ

 クリエイティブ・コモンズ・ジャパンを参考に、日本法準拠版ライセンスの表示をしてみる。別にパブリック・ドメインでもいいくらいなのだけれど、日本法準拠、ということだと、「パブリック・ドメイン」というライセンス形態はないらしい。まあ、確かに、日本の著作権法にはそんな概念はないよなあ。
 というわけで、一番緩やかな、「帰属」というのにしてあるのだけれど、別に、クレジットがなくても怒ったりしないので、適当に使ってくださいませ。

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