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2006/01/08

雑録

 あー、年末から風邪を引いて更新する気力が……。ぼちぼちやっていきますので、今年もよろしくお願いいたします。

 で、今回は、とりあえずメモ的に。というか、アリバイ作りだなあ。

・林みかせ『青色図書館』(白泉社花とゆめコミックス, 2005)

 私立の公共図書館が舞台という異色作なのだけれど、図書館関係者の間では特に話題になっていないような(私が知らないだけか?)。
 最近、白泉社で増えてきた(ような気がする)仕事モノ、といってしまえばそれまでかもしれないけれど、食べ物系ではないのと、本の書き手の話も絡めているところがいい感じ。あと、本好きの描き方がいいですな。
 実はもっとダークな話の方が得意なのかもしれないけれど、明るめにまとめているところがまた高感度高し。

・麻生みこと『GO!ヒロミGO! 7』(白泉社花とゆめコミックス, 2006)

 暴走気味の東大生(女子)モノなんて、他に描けるやつぁおるまい。俯瞰・アオリも自由自在の構図のマジックを堪能。
 「EPISODE XXXVII」は、主人公(文II)が物理学の面白さ(?)に気がつく話だったりするし、「EPISODE XL」はシステム系の学生起業の話だったりするので、『理系白書』関連の問題に関心のある向きにもお進めかと。
 この前に出た、連作短編集『ことのは』(白泉社花とゆめコミックス, 2005)も佳作。こっちは演劇部ものに憤死。

・内田樹『他者と死者 ラカンによるレヴィナス』(海鳥社, 2004)

 分からん。
 分からないように書かれたことを、より分かりやすく書いているという話ではあるのだけれど、やっぱり分からない。でも、分からないこと自体に意味がある、という趣旨の話だったような気がするからまあいいか。
 他のエッセイ集と同じノリで読もうとすると挫折するので注意。

『ユリイカ』2005年10月号(37巻11号)「特集・攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX」

 今更なにを、という気もするけれど、一応。
 監督の語りに思いっきり焦点を当てた編集に、ちょっと意表を突かれた。公式サイトとか、スタッフに関する情報、ほとんどなかった(見つけられないだけ?)りするのに。
 が、もっと意表をつかれたのが、何故かエウレカセブンを引き合いに出す文章が、いくつか(2か3?)あったこと。それはどうか。
 あと、関係ないけど、何故ユリイカは富野カントクをとりあげないのだろう。なんとなく、そっちのほうが気になってしまった。

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コメント

図書館漫画としては、今月発売になった米沢りか「ねこらぶ」(花とゆめCOMICSスペシャル)もおすすめします。米沢りかのいわば復帰作で、16ページずつのショート連作。海辺の図書館(私立?)が舞台で、図書館猫が主人公(というかマスコット)。レファレンスの話がある一方で、館内に喫茶を作ったりするところが、なんだかうれしいです。2005年は同じ号に2つも図書館漫画が載っていたLaLa DX…。

「ことのは」は、私の2005年イチオシです。「演劇部ものに憤死」のあたりを詳しくお聞きしたいような。

なんと。
「ねこらぶ」
http://www.bk1.co.jp/product/2629307
は図書館ネタだったのですか。明日は帰りに本屋に寄らねば。

演劇部うんぬんは、高校のとき演劇部だったから、というのと、先生じゃなくて生徒が脚本書いている演劇部、というのが嬉しくて、というのが若干入っているかなあ。
それを差し引いても、作品を作り出す、ということの本質に触れる主題と、変幻自在の視点移動による絶妙の感情表現にやられました。

はじめまして。ブログ検索からこちらにたどり着きました。長年のLaLaの愛読者です。
「青色図書館」の林みかせさんは、確かに初期にはキャラの心情を繊細に掘り下げて、読んでいてこちらも心が痛むような作品を描かれていました。最近の作品は随分明るくなったように思います。
「ことのは」の演劇部の話に”憤死”というのはそういうことでしたか。私はてっきり巻末おまけページのことかと思いました(笑)
かわにしさんが紹介されている「ねこらぶ」も、一風変わったマンガでおもしろいですよ。「青色図書館」よりも図書館業務に深く関わったお話です。

それから、他のエントリでマンガの保存について書かれていますが、資料としてどう保存していくかはとても重要だと私も思います。
現代マンガ図書館の内記館長さんとは、私も仕事関係で何度かお話ししたことがあるのですが、マンガの保存の重要性がなかなか理解されないことを嘆いていらっしゃいました。
例えばLaLaやLaLa DXにしても、コミックスにならない作品はいつの間にか忘れられ、失われていってしまいます。
過去の作品の情報を知りたい人達のために少しでも役立つかと思い、個人的にデータベースサイトを作ってみています。よかったらごらん下さい。(http://comich.net)

マンガを読むためのリテラシーねえ・・・。ずいぶん前の話に今ごろ、それも、もしかして場違いなコメントかもしれないけれども、学童保育所の指導員をしている友人が、「大人はマンガじゃなくて本を読め、みたいに言いますけれど、見ているとマンガを読む子が本も読みますね。」と言ってた。誰かみたいだな。

あと、ニューベリー賞を二回受賞したアメリカの作家、カニグズバーグのインタビュー記事を読んでいたら、自分の子どものころの読書を、classics, comic books and biographies と言っていました。

でも、わたしとしては、「子どもは本読むより、外で遊べ」って思ってるけど。あ、こっちは大「場違い」なコメントか・・・。

風邪を引いて寝込んでいる間に次々とコメントが。
反応が遅くてすみません。

>斎藤史郎さま

 コミックホームズ、非常に充実したサイトですね。ご紹介、ありがとうございました。
 単行本化される作品は、実際に雑誌で発表されている作品のうちの実は一部でしかない、というのは、マンガ雑誌の保存を考える上で、結構重要な指摘のような気がします。

>「や」さま

 ええっと、
http://tsysoba.txt-nifty.com/booklog/2005/11/post_ca3d_1.html
のエントリーに関して、ですよね。

 「外で遊べ」の話は、こどもの頃からインドア派の私としては耳が痛いです……。
 ご指摘のとおり、読むこどもは、きっと放っておいてもマンガだろうが何だろうが読むんでしょう(まあ、自分もそうだったような気もしますし)。
 ただ、リテラシーの話は、こども全体が減っていって市場が縮小していく中で、放っておいても読む、だけに頼っていていいのか、という話のような気もします。せめて、マンガに接触する機会を増やすような仕組みは作ったほうがいいんじゃないの、ということなのではないかと。といいつつ、今の規模や産業としての仕組みを、そのまま維持するの事がいいことなのか、という気もしないではないのですが……。

ほらね、外で日に当たらない「もやしっ子」(なつかしいでしょ)はすぐ風邪引くのよ。これからは介護予防のアウトドア・エクササイズ、わたしとタッチラグビーなどいかが?

さて、「OOO」(という文化)にふれる仕組み、とかって大人の側の教育的配慮は、古典文学であれ、マンガであれ、やっぱり押し付けっぽく感じます。一番大切なのは、子どもにいろんなものを楽しめるゆとりある環境を作ってやり、マンガの好きな子はマンガを、外遊びの好きな子は外遊びを楽しめるようにすること、そのうえで、大人が自分の好きなものを、教えるのではなく、一緒に楽しむ姿勢で伝えてゆくことだと思います。
わたしの友人の図書館員のお子さん、数年前に一緒に「モンティ・パイソン」のバカ歩きの話で二人で盛り上がりましたが、今では、マルクス・フロイト・ニーチェを耽読しているそうであります。

さて、これくらいにしますね。ではまたいつか。

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» 『青色図書館』を読んで [日々記―へっぽこライブラリアンの日常―]
 読書日記の1月8日付け記事で紹介されていたコミックス『青色図書館』(林みかせ著 [続きを読む]

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