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2006/08/06

ゆきのはなふる

 他の作品を主にした単行本の最後にちょろっと収録されていることの多かった「主様」シリーズが一冊に。しかも完全収録、となれば、わかつきめぐみ『ゆきのはなふる』(白泉社JETS COMICS, 2006)を買わないわけにはいかんわなあ。
 「主様」シリーズは、山、池といった自然物や、雨、風、雪のような自然現象をつかさどる、神様みたいな、妖精みたいな存在を主人公にした、和風ファンタジー。どれも小品で、基本的にはラブコメ(?)。ほんわかした読後感が、他の作品がメインタイトルになった単行本の末尾にぴったりきていた、という印象が強い(といいつつ、平成16年の作品は読んでなかった……)。
 が、タイトル作だけはちょっと違う。まず、104ページもある。しかも単行本描き下ろし(!)。あちこちのブログなどで感想が書かれているとおり、話もかなり重い。
 魂を持つ(?)人形を軸に、ヒトではないが、単なるモノでもない何かという境界上の存在をめぐって、(そもそもが人ではない)様々なキャラクターが、様々な視点で語る。もちろん、わかつきめぐみなので、強引に結論が出るわけがないのだけれど、そこがまた余韻を残して良かったり。それと、これもあちこちで書かれていることだけれど、作中歌の使い方が絶妙。コマ割りと各コマのレイアウトの見事さも含めて、もっと評価されてよいのではなかろうか。
 しかし、恐らくは「主様」シリーズ最後となる作品がこんな傑作になろうとは。これだから同じ作家の作品を、継続して追いかけるのはやめられない。

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