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2007/07/16

とりあえず、メモ

 うわー、こんなに更新していないのか。まずい。
 といいつつ、まともに文章を書く気力がないので、ちょっとだけメモ。

 岩波新書の「シリーズ日本近現代史」がちょっと面白くて、続けて読んでいたりする。
 例えば、1冊目の井上勝生『幕末・維新』は、幕府の外交交渉が実はかなり巧みなものだった、という話がやたらと印象に残る。結果として(外国人の移動範囲を限定することで、国内の流通網が独自に発展する余地を確保したとか)、後につながる成果を残した、ということらしい。
 こんな調子で、少なくとも、これまでに読んだ3冊目までは、全体的に薩長閥に対して批判的な視座を提供しようとしている感じを受ける。というよりはむしろ、薩長閥に都合よい形で近代史が語られすぎていた(「司馬史観」なんかもその弊あり)、ということなのかもしれない。
 2冊目の牧原憲夫『民権と憲法』では、交通機関とメディアの発達を視野に入れる必要性の指摘が印象に残っている。要するに、今とは全然違う、ということを頭に入れろ、ということ。当り前だけれど、全国から集まって集会を行なうことの意味とか、まるで今とは異なっている、ということを改めて指摘されると新鮮。
 3冊目の原田敬一『日清・日露戦争』では、日露戦争開戦直前に、実はロシア側の譲歩がなされていた(が、電信封鎖の影響で日本に届かなかったらしい)といった話が、さらりと書いてあったりして驚いた。外交で譲歩を引き出すことに成功していたのだから、実はやらんでいい戦争だった、ということだったりする。うーむ、知らなんだ。また、それまでせっかく東アジア情勢が安定していたのに、清国の軍事的弱さを赤裸々にしたことで、西洋列強の野心に火をつけてその後の混乱の引き金を引いてしまったという意味で、日清戦争の結果は日本の外交的失敗であった、と指摘するあたりも、記憶に残る。
 4冊目はもう出てるけど、読むのはこれから。

 矢吹晋「朝河史学を読む 日本史の三大革命と天皇制」『学士会会報』no.865 [2007], p.102-117.は、朝河貫一の日本史研究を概観した講演の記録だが、若干、イェール大学と米国議会図書館の日本関係コレクションに朝河が果たした役割についての言及もあったりする。また、米国の日本占領政策に間接的に朝河が影響を及ぼした、といった話もあり。
 同じく、『学士会会報』no.865 [2007]に掲載された、三舩康道「歴史的景観保全と建築家 東京大学本郷キャンパスの景観について(3)」p.77-85.は、歴史的景観に対する建築家の「自己実現」(要するに景観を無視して自分の好きなようにデザインすること)の問題を鋭く指摘していて、痛快。

 木下直之『わたしの城下町 天守閣からみえる戦後の日本』筑摩書房, 2007.も読んでたっけ。『ちくま』2003年1月号〜2004年12月号連載をまとめた、だけではなくて、関連した新聞掲載コラムなどを「補遺」として収録。もともと、単なる「城巡り」に留まらず、藩と都道府県の関係、戦前と戦後の連続と不連続などなど、様々な「寄り道」に満ちた内容がさらに「寄り道」だらけになってしまっていて、そこがまたたまらない。城といっても、熱海城や松代大本営まで含んでいたりするので、正統派城マニア(?)にはお勧めはしないけど。
 ちなみに、本書で何度か触れられている加藤英明『天皇家の戦い』新潮社, 1975.を、先日、ふらりと立ち寄った大津市の古書店で、たまたま見つけて入手。こういう出逢いがあるので、古本屋巡りはやめられない。

 ちなみに今日は、橿原文庫(後の奈良県立橿原図書館)の成立について調べたくて、奈良県立図書情報館に出掛けたのだけれど、あまり資料は残っていないらしい。元々は県立図書館とはまったく別の組織だったので、考えてみれば当然なのかも。レファレンスをお願いしたところ、職員の方が色々調べてくださったおかげで、概略は判明。これ以上は天理図書館に当たるしかないかなあ。
 図書館としては、雑誌に力が入っているのが楽しい。学会誌とか、紀要の類いが多くて、しばらく立ち読みしたり。それにしても、休日のせいか、午前中はともかく、午後になるとえらい込み具合。席を使用している若者の半分以上は試験勉強ではないか、という気もしたけれど。平日の夜行くとどうなんだろう。

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