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2009/03/01

近世版木展

 今日、じゃない、もう昨日か。2009年2月28日(土)に立命館大学アートリサーチセンターで開催されている「近世版木展」(2009年2月16日〜3月6日。ちらしPDF)を見てきた。
 奈良大学が所蔵する竹苞楼など由来の版木4,000点をデジタル化するプロジェクト(立命館大のグローバルCOEプログラム「日本文化デジタル・ヒューマニティーズ」拠点・日本文化研究班によるもの)に関連して、その版木自体を展示する、というもの。実際には奈良大学だけではなく、アートリサーチセンター所蔵の版木などもあり。
 版木の構造など、基礎的な解説から、版木における様々な技法、虫害により痛んだ版木や、版下を貼付けて途中まで彫った状態の版木(何故か作業が中断したようだが、それによって、どのように彫っていたかが、ちょっとだけ伺える)などなど、小さい展示スペースながら内容は充実。複数の版元による共同出版の場合の版木の持ち合いの仕組みなどを現物に即して分かりやすく解説してくれるなど、近世出版史入門編の趣も。
 それにしても、版木におけるレイアウトの自由度には驚愕。入木や埋木といわれる、版木の一部を削って、新たに別の文字や言葉を入れる(版元が変わったりするケースでよく使われる)という手法くらいは知っていたものの、パーツごとに分割できる版木を組み合わせて、大判の一枚ものを摺ったり、枠からはみ出した頭註の部分だけちょこっと継ぎ足したりと、ここまで自由自在に対応していたとはまったく知らなかった。
 枠があってその中に文字という部品を詰め込んでいく、活字印刷系の発想とはまったく別の本の作り方があった、ということを痛感。版木的な発想のDTPソフトとかあったら、面白いかもしれないなあ。
 ああ、それにしても、図録がないのがもったいない。この展示自体をデジタルアーカイブ化しておいてもらえないものか。
 会場では、版木を様々なライティングで撮影したデジタル画像を検索できるデータベース等も触れるようになっていたけれど、さすがにこれは研究者向け、という感じ(版木自体を分析することを目的としたものなので)。何をやっているのかが、より広い層に分かる、という意味では、今回の展示は実は重要なのでは、という気も。
 ちなみに、同じキャンパス内でDH-JAC2009 第1回 日本文化デジタル・ヒューマニティーズ国際シンポジウムをやっていたのも知っていたのだけど、諸般の事情でパス。大英博物館とか、ボストン美術館の話はちょっと聞きたかったかも。

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