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2018/05/27

中野区立歴史民俗資料館 企画展「花・草木を愛でる、育てる」

中野区立歴史民俗資料館 企画展「花・草木を愛でる、育てる」
2018年4月27日~6月3日
http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/403200/d025588.html

に行ってきた。
同資料館の名称は、資料館が置かれた土地を寄贈した旧家を顕彰するため、正確には「山崎記念」が冠されている。今回の展示でも解説されていたが、敗走する彰義隊を一時受入れたという山崎家旧蔵の庭にあった椎の木が、同資料館の敷地に現在も残されている他、同家旧蔵の資料も引き継がれているようだ。
今回の展示では、江戸から明治の園芸書や、絵画、錦絵、華道関係資料を中心にしつつ、花卉園芸と中野区との関わりを紹介している。
園芸書では、貝原益軒『花譜』 http://dbrec.nijl.ac.jp/KTG_W_138158 、岩崎常正『草木育種』 http://dbrec.nijl.ac.jp/KTG_W_350572 などの定番資料に加えて、守静庵湖貢『栽菊玉手箱』 http://dbrec.nijl.ac.jp/KTG_W_2707348 の写本と思われる『養菊玉手箱』や、伊沢蘭軒の著作だという『朝顔水鏡』といった資料も展示。朝顔図譜『三都一朝』 http://dbrec.nijl.ac.jp/KTG_W_2782641 や、明治期の賀集久太郎『芍薬花譜』 http://id.ndl.go.jp/bib/000000487675 の色合いも鮮やかで、蔵書印等は展示部分には見当たらなかったが、来歴が少々気になった。
絵画作品は、山崎家旧蔵で、狩野常信、椿椿山、酒井抱一、小杉放庵といった名前が並んでいた。錦絵は近代のものや、覆刻中心。とはいえ、広重の名所江戸百景の覆刻と大正期当時の同じ場所の写真を組合せた『今昔対照江戸百景』 http://id.ndl.go.jp/bib/000001525164 など、覆刻ならではの面白さもあり。
華道関係では、明治・昭和の関連図書・雑誌に加えて、昭和15年の池坊の免状と席札が展示されていて、特に免状は、崩し字で印刷されているものの、赤字のカタカナでふりがなも一緒に印刷されており、当時既に崩し字リテラシーが失われてきていたことが示されていて、面白かった。
パネルでは、中野区内にかつてあった花卉栽培地が紹介されていた。例えば、現在の江古田の森公園にあった、国立療養所中野病院のさらに前身、東京市療養所に苗圃や薬草花園が併設されており、国立療養所中野病院になった後も、東京都苗園として維持されていたとのこと。大正9年の東京市療養所設立時の図面では、病棟の周りを回遊式の庭園が取り囲んでいるが、昭和45年には、一部は大蔵省に移管され、病棟の周辺の土地だけが療養所施設として残される形になっているのが、何ともいえない感じだった。
資料館へは、西武池袋線の沼袋駅から徒歩で移動できるが、その途中に、古書店の天野書店 https://www.kosho.or.jp/abouts/?id=12030140 がある。何故か数学史を中心に科学史関係が充実していたり、文学、歴史、民俗、思想など、きっちりとした硬派な品揃え。ついでに立ち寄るのもまた良いかと。

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