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2018/10/20

國學院大學博物館特別展「キリシタン-日本とキリスト教の469年」

 國學院大學博物館の特別展「キリシタン-日本とキリスト教の469年」を見てきた。福岡の西南学院大学博物館との合同展示で、11月からはそちらで開催。きりしたん版関係は上智大学キリシタン文庫蔵のおらしょ断簡と、『どちりなきりしたん』のレプリカを展示。また出版史関連では、これも上智蔵の幕末開国期に刊行されたキリスト教教理書にびっくり。初めて見たかも。用語など、当時存在が再発見された潜伏キリシタンに配慮して作られているとのこと。
 この他、キリシタン大名による社寺破壊についても初耳だし、幕末開国後に起こった潜伏キリシタン弾圧事件(浦上四番崩れ)も実は知らなかった。なお幕府が接収したキリシタン関係の遺物は今は東博が持ってるようで、東博所蔵品も複数展示。近年発掘されたシドッチの墓の遺物なども展示されていて、近年の研究動向もうかがえる。
 ちょうど、藤生明『徹底検証 神社本庁-その起源から内紛、保守運動まで』(ちくま新書)を読んだ直後だったので、神道系の大学の博物館でキリスト教徒弾圧の歴史を正面から扱う展示が行われているのは感慨深かった。一方で潜伏キリシタン(隠れキリシタン)はカトリックから分離して日本化した宗教という捉え方も可能なわけで、日本における宗教儀式という観点からは國學院大とは相性が良い、ということかもしれない。会場では、宮本常一が企画・監修し1965年ごろに制作されたドキュメンタリー映画『日本の詩情』シリーズ から「隠れキリシタン」がスクリーンで上映されていて、そこではカトリックとは別の道を選び、地域に伝承された儀礼を守る人々の姿が描かれていたこともあって、そんなことを考えた。
 図録も充実しており、寶玲文庫旧蔵の日本書紀や、神道事務局・皇典講究所の蔵書印(皇典講究所は印が2種あり)をきっちり確認できるキリスト教関係資料の図版もあるので、蔵書印筋(?)の方々にもお勧めかと。なお、先に触れた幕末開国期のキリスト教教理書については、収録論文の内島美奈子「再布教期におけるパリ外国宣教会の印刷事業-プティジャン版とド・ロ版画」でその背景が詳しく論じられている。

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