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2019/03/10

東京ガスGAS MUSEUM「知識と娯楽のフェスティバル「明治の博覧会」展」

東京ガスのGAS MUSEUM がす資料館に、企画展「知識と娯楽のフェスティバル「明治の博覧会」展」(会期:2019年1月5日〜3月24日。解説リーフレットPDF)を見に行ってきた。郊外のロードサイドに突如現れるレンガ造の洋館にちょっとびっくり。ガス灯館とくらし館の二つの建物が展示スペースになっているが、企画展はガス灯館の2階。なお、このガス灯館は、明治42年建築の東京ガス本郷出張所の建物を移設復元したものとのこと。
詳細は、解説リーフレットをご確認いただきたいが、GAS MUSEUM所蔵の明治期の錦絵・版画から、第1回から第5回までの内国勧業博覧会と明治40年の東京勧業博覧会に関するものを基本、時系列順に展示する、という趣向で、結果的に特に明治前半の上野の博物館周辺の変化がよく分かる構成になっている。
例えば、第1回内国博を描いた河鍋暁斎「東京名所之内 上野山一覧之図」(明治10年)や、第2回を描いた同名(明治14年)の錦絵では、博覧会場の外側、現在の東京芸大の辺りに「教育博館」が描かれている。国立科学博物館の前身である教育博物館のことだろう(国立科学博物館ウェブサイト「科博の概要と沿革」 参照)。第2回を描いた、歌川国政(四代)「第二回内国勧業博覧会」(明治14年)には「博物局出張所」や「羊舎」などの文字が見えたり、第3回を描く歌川広重(三代)「上野公園開説第三回内国勧業博覧会之略図」(明治23年)には、後に博物館(東京国立博物館の前身)に移管される「参考館」なども描かれている(東京国立博物館ウェブサイト「館の歴史 6.内国勧業博覧会 殖産興業と博物館」参照)。というわけで、博物館史クラスタ必見である。
ちょっと謎だったのは、東京勧業博覧会を描いた、「東京勧業博覧会全会場明細図」(明治40年)では、現在の東京国立博物館の敷地の中に、博物館の建物とは別に「帝室図書館」という建物が描かれ、また、現在の国際子ども図書館のあたりにはそれとは別に「図書館」(こちらは帝国図書館か?)が描かれていたこと。帝室博物館の図書部門が、帝室図書館と通称されていたりしたことがあったのだろうか…。なお、この明治40年の東京勧業博覧会の「瓦斯館」は、博覧会終了後、移築されて、関東大震災で焼失するまで深川図書館の建物として利用されたとのこと。その「瓦斯館」の写真絵はがきも展示されていた。というわけで、図書館史的にも興味深し。
小林清親などの版元として知られる、大黒屋松本平吉の引札(内国勧業博覧会での受賞を宣伝に使ってた)も展示されてたので、出版史もかな?
他にも、上流階級における服装が、第1回・第2回の内国勧業博覧会では男性は洋装、女性は和装だったのに、第3回の時には男女ともに洋装になっていたりして、見方によって、様々な時代の変化を読みとることもできるのではなかろうか。
あ、ちなみに、京都での第4回、大阪での第5回内国勧業博覧会関連の展示はちょっと控えめ。基本、東京中心なのでご注意を。
正直、なかなかたどり着くのが難しい施設でもあり、企画展は1室のみなので、誰にでもお勧め、とは言えないが、明治期の博覧会、博物館、図書館、上野、というキーワードに敏感に反応する向きには、見て損はないと思う。
と言いつつ、あとちょっとで会期が終わってしまうのだけど。

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