芳林堂とオンステージ山野
今年(2003年)の末、池袋から二つの店が消える。
一つは、芳林堂書店池袋店であり、もう一つは、オンステージ・ヤマノ池袋パルコ店である。
芳林堂書店については、既に「[本]のメルマガ」などでも取り上げられているが、ふらりと立ち寄ってふらりふらりと店内を巡るにはちょうどいい規模で、しかも結構渋い新刊をチェックできる、非常に私好みの本屋であった。しかし、ジュンク堂、リブロ、旭屋相手では分が悪かったか……。残念。人文棚、好きだったんだけどなあ。
今日、お別れを兼ねて立ち寄ってきたところ、既に棚はすかすか。新刊の入荷状況も悪い(当然といえば当然だが)。それでも、何冊か餞別がわりに買い込んできた。
多分自社ビルだったと思われる芳林堂ですら、維持しつづけることができないということは、中小規模の書店(以前なら、芳林堂は大規模だったはずなのだが…)が生き残る道はどこにあるのだろう。
オンステージ・ヤマノの方は、マニアックな品ぞろえがなんともいえないCDショップで、60年代、70年代のロック、ポップス好きにはたまらない店だったのだが、今日、ふらりと立ち寄ったら、これまた棚がすかすかに……。もしや、と思ったら、やっぱり年内で閉店だった。これでもう、パルコに行くことはないかもしれない。ここでも餞別がわりに何枚か買い込んできた。トニー・ハッチの3枚組ベストとか、他のところじゃ何組も置いてくれないよなあ。これからどうすればいいのやら。
オンステージ・ヤマノは、限られたスペースの中でそれなりに選ばれた品ぞろえを展開する、という、セレクトショップ的な性格を持っていたと思うのだが、音楽CDでは、利ざやが小さ過ぎて、セレクトショップは成り立たないのかもしれない。
何にしても、またさらに世の中が少しつまらなくなってしまった。どうして、私の愛する店は消えていってしまうのだろう。……むしろ、贔屓にしない方がいいのか?
芳林堂書店
http://www.horindo.co.jp/
山野楽器
http://www.yamano-music.co.jp/
[本]のメルマガ
http://www.aguni.com/hon/index.html
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