京の古本屋
『京の古本屋』(青幻舎, 2003)を斜め読み。「京都モザイク(KYOTO MOSAIC)」という小型版のムックシリーズの4冊目(現在、8冊目まで出ているらしい)。
要するに京都の古本屋ガイドなのだが、目次ページに「古書店利用の心得」として「本を手に取るときは、丁寧に扱いましょう」とか、「店内での大声も厳禁」などと、基本のマナーが書いてあったり、目録中心の無店舗店も紹介してあったりするところが、なかなかいい感じ。
すごいのは、こういう本にありがちな店主に焦点を当てたコーナーがまったくないこと。人の顔が登場するのは、巻頭の永田紅(コラムを書いている)と、巻末の古書市風景だけ。あとはひたすら、店内に並ぶ本が主役である。潔い。本というモノが持つ魅力を伝えようという意志を感じる。
出版社の青幻舎は、写真集を中心にした美術書出版が本業らしい。それだけに写真も印刷も美しい。積み上がった本なんて、全然美しいものではない(じっと自分の部屋を見る…)のだが、こうやって写真にすると、なんだか、きれいなものに見えてくるのだから恐ろしい。
個人的には、数年前……いや、もう10年近く前なのか。以前、京都に古本屋巡りの旅に行った時の記憶が、少しだけ甦ってきた。いくつかの店は、そのころとあまり変わっていない様子で、少しうれしくなる。また行きたいなあ。
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