情報検索のスキル
三輪眞木子『情報検索のスキル 未知の問題をどう解くか』(中公新書, 2003)を読了。
読んで楽しい、という文章ではないが、情報検索/提供関係の仕事をしている人は必読だろう。
内容的には、問題解決のための情報の探索プロセスに関する、欧米の研究のエッセンスをコンパクトにまとめた上で、必要な情報を入手するためには、探索する人の自己効力感(何かを達成可能である、という感覚)が重要であることを指摘する、というもの。情報リテラシー教育に関する内外の動向についても触れている。
個人的には、まったく不案内な分野に踏み込んだ場合、最初はわけがわからなくとも、複数の文献などを読んでいる内に、徐々に用語などを理解できるようになっていく、ということを明確に指摘している点に共感。どんな分野にせよ、何か一冊読めば、すぐにわかる、というのが幻想にすぎないことがよくわかる。
まったくの余談だが、私にそのことを教えてくれたのは、大滝詠一だったりする。レコードを聴いても、ラジオを聴いても、わけのわからない単語だらけだったが、とにかく、色々聴いているうちに、ある程度は(今でもよくわらかないところがあるが…)わかるようになってきた。何年かかっても、しつこく追いかけていれば、それなりにはついていけるようにはなるものである。まあ、「それなり」を超えるためには、それ相応の努力が必要なのだろうけど……。
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