ぱふ 2003年まんがベストテン
さすがに、「日刊ココログガイド」に紹介されると、アクセス数がいつもと違う。ちとプレッシャーですな。
といいつつ、『ぱふ』2004年4月号の特集「2003年まんがベストテン」をパラパラと見る。80年代終盤から年間ベストテンの号だけは買いつづけていたりするのだが、もはや読者層が偏りすぎて、順位そのものにはほとんど意味がなくなってしまった感じ。長編で、二ノ宮知子『のだめカンタービレ』が29位、矢沢あい『NANA』が37位というのは、ちと何かがずれてしまっているような……。森薫『エマ』とか100位だし。
長編については、少数派でも投票するファンがついている、という視点で見ると、これから単行本を見かけたらチェックしてみようかなリストとしてある程度は使えるかもしれない。しかし、少女マンガは白泉社ばっかりだなあ。一方で、もともと投票数の少ない短編や新人賞は、相対的には偏りが少ない(ような気がする)。
ついででなんなのだが、新人賞4位に入った宮本福助『拝み屋横町顛末記』(一賽舎)は1巻が出たばかり。じじいばっかり出てきてなんともいい感じ。懐かしい日本の風景を手間をかけて描いている、という意味では、(対象も主題もまるで違うが)『エマ』と通じるものがなきにしもあらず。幽霊ものだが、暗さが皆無なのは、過去への回路としての霊、という扱いだからなのかもしれない。掲載誌は『ZERO-SUM』だから、きっと投票した人は、『最遊記RELOAD』とか『LOVELESS』とかを目当てに読んでいて、発見したんだろうなあ。ん? そういう意味ではやはり偏っているのか?
特集末の編集長竹内氏による総括「03年をふりかえって」で、「読者は自分に関係している(と思われる)作品だけを追い求めている」とまとめているが、(自分も含めて)確かに、そうかもしれない。
おもしろい作品を求めつづける読者は、自分が枠を越えることで、新たな作品と出会うチャンスは確実に増える
という言葉が、なんとも重い。
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