ジョージ・ハリスン/ライヴ・イン・ジャパン
あんまり音楽ネタを書くつもりはなかったのだけれど……。
何故か、某CD屋がジョージ・ハリスン祭状態だったので、何だろう、と思ったら、ダークホース・レーベル時代のアルバムがリマスターされて再発されていた。こりゃ素晴らしい、と喜んだのだが……何で、コピー・コントロールCDなんだ? 結局、買ったのは、SACD(SACDのプレーヤーを持ってないのに)とCDのハイブリッド版『ライヴ・イン・ジャパン』だけ。これだけ、ちゃんと「compact disc」のロゴが入っていて、コピー・コントロールではない。とはいえ、家のDVD/CD兼用プレーヤーでは、SACDとのハイブリッド版はかからないらしく、しばらく取り出せなくなって、ヒヤヒヤするはめに。結局、まともに聞けやしない。
輸入物のダークホース・レーベル・ボックス(The Dark Horse Years)も、国内ものと方式は違うようだが、コピー対策がとられているらしい(故に、「compact disc」のロゴは入っていない)。悩んだ末、結局、買うのはやめた。
ふと気がつけば、CD屋の店頭に並んでいるCDのかなりのものが、コピー・コントロールが施されている。こうして見ると、『Let It Be…Naked』がとどめを刺した、という気もする。もはや、この流れは止まるまい。CDからiTunesに取り込んでiPodへ、そして、通勤時間に聞きまくる、という楽しみ方は、許されないということなのだろう。
ウォークマンに始まった、好きな音楽をいつでも持ち運ぶ、という楽しみ方は、iPodで完成して、そして、終わりを迎えるのかもしれない。
これからは、AppleのiTunes Music Storeのような、特定の流通ルートで著作権管理の仕組みが組み込まれたものだけを、持ち運んで聞くことを許されるのだろう。しかし、各社が互換性抜きで流通面での囲い込みを進めている現状では、選択肢が狭くなってしまう。それに、売れなかったレコードやCDが、後に再発見されてブームになるようなことは、オンラインでの音楽販売では考えにくい。売れない曲のデータは、販売サイトとの契約期間が過ぎれば、何の痕跡も残さずに消えるだけだろう。わずかに購入した人の手元に残ったデータも、コピーが繰り返せないようになっているのだから、(コピープロテクトを外さない限り)そのうち消えるしかない。
シグマブックのような手軽に持ち運べる電子書籍も、著作権管理の仕組みが組み込まれているようだが、やはり互換性のないまま流通の囲い込みが起きれば、同じように、選択肢の狭さと、売れない著作が本当に何も残さずに消えていく、という事態が待っているのではなかろうか。
全てをデジタルにして、その全てを身に付けて持ち運ぶ(あるいはどこからでも呼び出す)、という生活は、確かに実現するかもしれないが、何だかとても貧しいものになりそうな気がしてきた。とりあえず、せめてもの反抗として、コピー・コントロールCDは、今後も買わないことにしておこう(お金の節約にもなるし)。
あ、書くまでもないので、ぐだぐだ書かないけれど、『ライヴ・イン・ジャパン』はいいですな。エリック・クラプトンのファンも必聴。
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