親指からロマンス(1)
『ぱふ』の2003年まんがベストテンで、新人賞1位、というのにつられて、椿いづみ『親指からロマンス(1)』(白泉社花とゆめCOMICS, 2004)をぱらぱらと読む。どうもやたらと推しているページもあるようだし。
それはさておき、なんちゅーか、多少、ギャグで薄められてはいるものの、基本はベタ甘のラブコメですな。わしらのような年寄りには、糖分が多すぎて、ちと体に悪いかも。
とはいえ、マッサージというネタの使い方は巧い。天然ぼけだが、マッサージについては天才、という主人公の女の子のキャラクターもおいしいし、変人揃い(?)のマッサージ部、という舞台作りにも活用するあたりもなかなか。一気に色んなキャラクターを出し過ぎているような気もするけれど、きっちりシリーズ化してしまったわけだし、まあ結果オーライか。あとは、頬染め女の子と、頬染め男の子のキュートっぷりがポイントかなあ。
それにしても、別に本書に限ったことではないのだけれど、当然のように家族(特に親)が最も近くの「他人」として登場するようになったのは、いったいいつごろのことなんだろうか、と、何となく考えこんでしまった。もはや、無条件に親が味方になってくれるような話は、時の流れを止めてしまったかのような、やまざき貴子『っポイ!』(白泉社花とゆめCOMICS)くらいかなあ。
というわけで、親や姉妹との関係が一つの引っ掛かりどころになっていて、単なるラブコメで終らないかもしれない、というポイントでもあったりする。ただし、そこが今後膨らまされていくのかどうかは1巻の段階では未知数。はてさて、この先、ラブコメ要素とギャグ要素と、家族再構築もの(親は再構築の中には入らなさそうだけど)要素のどれが中心になっていくのだろうか。まあ、一応2巻も買うリストに入れておこうっと。
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