マリア様がみてる チャオ ソレッラ!(と、ついでにアニメ第1シーズン終了)
今野緒雪『マリア様がみてる チャオ ソレッラ!』(集英社文庫COBALT-SERIES, 2004)を読了。
学園物に修学旅行ネタがないなど許さーん、という主義の私としては、当然、マリみてでも修学旅行ネタに期待はしていた。してはいたのだけれど、よく考えたら、学年が違う、というところが、マリみてにおける「姉妹」関係のミソなわけで、1学年単位で行動する修学旅行では、さして盛り上がりようがないのであった。
まあ、そんなわけで、番外編的な展開になるのは止むを得ないのでは。読んでいる途中で、2年生トリオ不在の間の話を、1年生と3年生の一人称視点の組み合わせでもう一冊、というのも面白いかも、と思ったものの、最後まで読んだところで、それはなさそう、ということが判明。そろそろ1年生視点の話も読んでみたいところなので、自作に期待。
それにしても、糞を垂れ流しながら歩くダルメシアン、とか、単なる美しいだけのお伽話になりそうなところに、きっちり楔を打ち込んでくるところが、作者のうまいところ。この感覚が作者になかったら、私のようなオッサンにはとても読めなかったかも。(今回、やたらとトイレネタが多いのも同じ狙いか。いや、実は、男性ファン封じだったりして……)
とはいえ、アニメで同じことをやってしまうと、おそらく生々し過ぎてしまう。どうするのかなあ、と思っていたら、どうにもなっていなくて、結果として、アニメは妙に美化されたお話になってしまったような気がする。不要なほどに多用されていたモノローグも含めて、原作者の監修が裏目に出たのでなければよいのだけれど……。
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