妙なプロジェクト
今回は全然「読書日記」じゃなくて、単なる仕事の愚痴(兼、この時点で何を考えていたかのメモ)。最近、更新が進まない(ついでに眠りも浅い気がする)原因の説明でもあり。自己防衛と組織防衛、両方考慮して曖昧な表現だったりもする。請う、ご容赦。
先日、以前から関わることになっていた新プロジェクトが(かなり遅れて)立ち上がったのだが、これが最初から妙な展開になっている。
プロジェクト、といいながら、プロジェクトにおいて、何を達成することが求められているのかがよくわからない。どうも人によってマチマチ、といった体である。
かなり上位のステーク・ホルダーからのプレッシャーを受けて、新しいサービスの具体化に向けて何かする、という、という点では一致している。ところが、将来のあるべきサービスの全体像を描くことに重点を置く、という話と、予算関係の日程に合わせためちゃめちゃに短いスケジュールに従って予算獲得のための準備を進める、という話と、プロジェクト・リーダーに組織上層部から与えられた別の課題もここで一緒に片づけてしまおう、という話がこんがらがっていて、めちゃめちゃ短期間での作業であるにも関わらず、どれが最も優先順位が高い課題なのか、さっぱりわからない。その結果、全部やれ、という話になってしまっているのだが、やる側としては、いくらなんでも、はいそうですか、というわけにはいかない。
その上、上位のステーク・ホルダーから与えられている課題とは、基本的にまったく別の領域のサービス拡大にリソースを投入することを、我らが組織上層部は以前から決定していて、現場もその方向で突き進んでいる。プロジェクト関係者には、組織上層部よりも上位にあるステーク・ホルダーの意志に乗っかることで、状況を一気に変えようという意図があるのかもしれないが、プロジェクト・リーダーはというと、組織上層部から与えられた別の課題の話ばかりで、わけがわからない。
もちろん、上位のステーク・ホルダーからの圧力への対応は、組織上層部も必要としているところなのだが、そのためのリソース投入(というか再編成)を組織上層部が了解するかというと、また別問題だったりしそうなところが難しい。組織上層部には、総論では提案者(主に現場)に賛成しつつ、細部に注文をつけることで、実態としては自分の意図の通りにものごとを動かしていく、というのが得意技という人もいるし(そういう人が決定権を持つポジションにいると、根本的には手の打ちようがないので、現場側は条件闘争を中心とした消耗戦を強いられる)、今回の件についても同様の手法が使われる可能性は高い。
プロジェクトのオーナーである某セクションは、方針は決めるけど実行するのは現場でね、というのがポリシー、というので知られていて、たとえあるべき姿を描いて、それに向かって進もう、という話になっても、リソースの確保や政策・方針の転換まで、全部、現場に丸投げになる可能性も想定しておかないといけないらしい。こうなると、うかつな将来像を描くと、さあ、早く全部実現しろ、という話がいきなり落ちてきて、まったく別の方向に全力投球している現場はパニックになりかねない。組織上層部まで含めた組織全体の意識改革と、全体としてのリソースの再編成が、政策・方針の変更とセットになって行われるようなプログラムを作って……と、いきたいところだが、そのプログラムを実行するセクションがないんだっけ。
自分の所属する現場側でも、関連するプロジェクトを立ち上げることを考えていたのだけれど、こうなってくると、どう進めるのか、かなり神経をすり減らすことになりそうだ。
いやはや、考慮すべきリスクが多過ぎて、どう軽減・回避すればよいのやら。ああ、太い神経が欲しい……。
結局、一番いい選択は、「逃げる」ということのような気がするのだが、今更、逃げるに逃げられない。考えられている目標を全部達成せよ、というなら、スケジュールをなんとかしろ、という話をしているのだけれど、押し問答になって進まない(こうしてさらにスケジュールは泥沼に……)。権限よこせ、といったところで、結果として何を出そうが、最後はプロジェクト・リーダーが組織上層部の望む方向に転換を迫ってくるのは目に見えているしなあ。うーむ、どうしたものか。
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