災害時の歴史資料保存、などなど、新潟県中越地震関連雑感
地震や台風の被害の映像を、他人事として見てしまう自分、というのに、ある程度は後ろめたい気分を感じてしまうのだけれど、色々なイベントに対して、「この非常時に何をやっとるか!」みたいな怒りの声をぶつけるのもどうかなあ、とも思ってしまう。
ただ、少なくとも、被災した方々に対して、「あなたたちは忘れ去られてはいない」というメッセージを送り続けることは、必要なことなのかもしれない(たとえ形だけのメッセージになってしまったとしても、それを聞いた人が、ふと思い出すことが重要な気がする)。各個人の情報発信もそうだけれど、マスコミのバランス感覚が問われているのかも(少しは台風被害のことも報道してほしい)。
新潟県中越地震に関しては、
【新潟県中越地震】被災地に電源車を急行──電力系TOHKnetの決断
【新潟県中越地震】小千谷は自家発電で営業続行中──11店舗が被災した北越銀行
などの、ライフライン関連の企業の対応を伝える記事が、プロの職業人のあり方を伝えていて、思わず襟を正してしまう。こんなときに商売かい、という人もいるかもしれないが、その商売が続いてることが、生活を支える、ってことは確実にあると思うのだ(本当は、図書館もそういう商売であってほしいのだけれど、まだそこまでは……)。
また、登録しないと読めない記事(ただし無料のはず)だが、
が、地震発生直後の様々な組織・企業の動きを分析していて、参考になる。流通系では、セブン−イレブン・ジャパンとイトーヨーカ堂、ジャスコがいち早く動いていた、という話はこれで知った(かなり早い段階でテレビに映っていたあの大量のおにぎりはどこからやってきたのだろう、と思っていたので、これで納得)。
愚智提衡而立治之至也: 特設:新潟県中越地震 バックナンバー
天漢日乗
など、個人によるblogにおける情報発信・交換や、2ちゃんねるなど掲示板による情報交換が盛んに行われているようだが、とても全貌は私には捉えきれない……。
Daily Searchivistでも紹介されている、歴史資料ネットワークが、地震に限らない「自然災害による被災歴史遺産保全活動への支援募金のお願い」を掲載している。こんなときに歴史資料がどうした、生活の方が優先だ、というのは正論なのだけれど、地域の記録・記憶を残しておくことは、その土地で新たに地域の復興に取り組む人たちにとっても、止むを得ず、その土地を去って新たな土地に移り住むことを選ぶ人たちにとっても、支えになると思う。無駄なことではないはずだ。
もし、現地にボランティアに行く友人・知人がいたら、歴史資料ネットワークの、歴史資料を捨てないで、という呼びかけのことを伝えてもらえないだろうか。
さて、とりあえず、私にできるのは募金かな。
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