季刊・本とコンピュータ 2004年冬号
『季刊・本とコンピュータ』2004年冬号(発行:大日本印刷 発売:トランスアート, 2004)を年末年始の里帰り中に細切れに読んで読了。
細切れに読んだせいもあるような気もするけれど、なんとなく印象が薄い。総まとめ特集第二弾「日本人の読書習慣 消えたのか? 変わったのか?」、ということで、力が入りそうなテーマなのだけれど……。
ぼんやりとした印象なのだけれど、「まとめ」というのがよくないのかもしれない。「まとめ」のための原稿だ、となると、こぢんまりとした感じになってしまうとか。読んでいて、何となく広がりがない感じがするんだよなあ。
その中では、堀切直人「町を読む、書中を歩く」が、浅草に関する文献を探し求めて、古書店、テプコ浅草館にある「浅草文庫」や、台東図書館郷土資料室(現在は、台東区立中央図書館郷土資料調査室)を渉猟していく過程を、それぞれの場の雰囲気や、そこで出会った代表的な資料のことも含めて語っていて、味わい深い。
月村辰雄「デジタル時代の読書」は、「全文検索というのは、一般的には既知の事柄についての検索であって、未知の事柄については未知のままである」と喝破しているところが、読みどころか(もちろん、だから必要ない、という議論ではないので、念のため)。
後は妙にひっかからなかったなあ。さて、次の号は。
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