マリア様がみてる イン ライブラリー
少しずつでも読了本を片づけないと。
というわけで、今野緒雪『マリア様がみてる イン ライブラリー』(集英社コバルト文庫, 2004)。うーん、カテゴリーどうしようかなあ、と思ったけど、結局「書籍・雑誌」に。
雑誌の『Cobalt』に掲載された短編を集めた番外編、といった一冊。『バラエティギフト』と同趣向ですな。今回は、図書館つながりでまとめたのが特徴。ただし、図書館ネタばかりかというと、そういうわけでもないので、図書館関係者は期待し過ぎないほうがよいかも。
作品としての注目は、最後に入っている親世代の昔話なんだと思うのだけれど、個人的には1年生視点から見た2年生、という趣旨の短編があった点がポイント。
前にも1年生視点で描いた2年生に注目という話を書いたけれど、基本的には一人称文体を守りつつ、一人称となる視点を変えることで話を膨らませていく、という技を、登場キャラクターの組み合わせの変化との合わせ技で繰り出してくるところが、このシリーズのおいしいとこだったりする。というわけで、1年・2年の組み合わせ話で1年生が一人称を背負えない、となると、ちょっと膨らみがなくなるんじゃないかなあ、というのが気になっていたりするのだな。
ただ、今回の短編は短か過ぎて、ちょっと練習してみた、という感じも。この後、どう活用する(あるいはしない)かは、作者次第。というわけで、まあ、楽しみに次を待つことにしましょう。
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