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2005/03/20

MOTアニュアル2005 愛と孤独、そして笑い

 昨日は、相方と二人で、東京都現代美術館に、「MOTアニュアル2005 愛と孤独、そして笑い」(会期:2005年1月15日〜3月21日)に出かけた。
 それにつけても花粉がすごかった。マスクをしていてもやはり入り込んでくるらしく、洟をずるずるさせつつ映像系の作品を見たりしていると、何となく周りに申し訳ない気分に。
 今年は女性作家のみの布陣で、フェミニズム的な視点を折り込んだセレクションになっているのが特徴か。ミュージアムショップでもフェミニズム美術批評系の本が並んでいたし。
 分かりやすかったのは、岡田裕子の「SINGIN' IN THE PAIN」「俺の産んだ子」。後で知ったけど、会田誠の奥さんなんだそうで。何となく納得。どちらもビデオ作品で、前者は、「普通の主婦」が傘持って踊りまくって最後に……という話。後者は、子宮移植した男性が妊娠・出産する過程をドキュメンタリー調で。どっちも、テーマの分かりやすさと出演者のノリノリぶりがいい感じ。
 イチハラヒロコは、お馴染の言葉のインスタレーションに加えて、創作メモ(?)を貼り付けたオブジェが出ていて、これがなんだか面白かった。作品ができあがるまでの試行錯誤の過程や、関係ありそうでなさそうな雑多なメモの数々をついつい読みふけってしまう。
 チラシやポスターなどにも使われている、澤田知子の「School days」シリーズもすごかった。学校のクラスの集合写真を、一人で再現(?)する、というシリーズで、もちろん、制服姿なので、髪形や表情や姿勢などで個性があるかのように表現するわけだけど、なんともいえずそれらしい。一つだけだと思ったら、何種類もあったのでびっくり。
 後は鴻池朋子によるアニメーション(絵本になっている「みみお」というキャラクターが主役)作品とか。よく動いてました(感想になってないって)。
 たまたま3月19日は、開館10周年の誕生日だったとのことで、ちょっとしたプレゼントを貰ってしまった。意識して狙ったわけではなかったのだけど、何となく得した気分。こういう地道な宣伝の努力が、実を結んでいってほしいなあ。

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コメント

はじめまして。

この展覧会、フェミニズム的な視点が主題になっていることは、ぱっと見てすぐわかるんですけど、チラシを見ても、図録を読んでも、「フェミニズム」という言葉がどこにも出てこないんですね。キュレータの方が仰っていたんですけど、フェミニズムを前面に出してしまうと、みんな引いちゃって(笑 人が寄ってこないからだと。こういう戦略自体は面白いと思いますけど、逆に、いまフェミニズムが難しい位置にあることを示しているなあとも感じました。

あ、あと、私のblogの紹介文を書いていただいて、
大変恐縮しています。ご挨拶が遅れて申し訳ないです。
書評をいつも参考にさせて頂いてます。

yasuさん、トラックバックとコメント、ありがとうございました。
「歩行と思索」、いつも読ませていただいては、鋭く鮮やかな切り口に、「なるほど!」と思わず納得してばかりいます。文章だけではなくて、写真もまたいいですよね。

いわれてみれば、確かに「フェミニズム」という言葉はどこにもなかったような気がします(図録は買ってないので未確認ですが、会場にはなかったような)。またもや「なるほど!」です。
「女性」であることに関する問題を扱うことを表現するためには、「フェミニズム」という言葉は手垢がつきすぎてしまったのでしょうか……。内田樹氏のフェミニズム批判などを思い出してしまいました。

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