東京国際ブックフェア2005
東京ビックサイトに第12回東京国際ブックフェア(会期:2005年7月7日〜10日)に相方と出かけた。
プロダクトテクノロジー社のブースで、冊子のページを自動的にめくりながらスキャニングするメカの実物が動いているのを初めて見る。これは確かにすごい。
デジタル化にももちろん使えるけど、単に複写用に使っても、資料保存につながりそう(なにしろ、110度まで開けばよいし、上向きでよいので)。
動きも滑らかで、制御系もかなりこなれている印象(印象だけだど)。Googleが図書館の本のデジタル化を大量にやれる、と判断したのは、これがあったからじゃなかろうか。このメカを間近で見られたのが、今回最大の収穫。
あ、あと次世代シグマブックのモックアップもちょっと印象的だった。片手で持てるカラー高精細の一画面、というのは、まあ、そうだろうなあと思う。でも、なんだか、PDAとか、携帯ゲーム機とかぶってしまうような気も。
アドビとか、ソフトウェア系の企業は、相変わらず露出の多いコンパニオンを前面に出していて(一ヶ所、異様に露出しているとこがあって、いや、それはいくらなんでもやりすぎだろうと二人でびっくりしてしまった)、出版社系との差異が激しい。企業文化の違いというのは面白いなあ。
ボイジャーのブースでは、社長(萩野正昭さん)が社員と一緒に色々説明してて、おお、と、ちょっと感動。とりあえず、2005年版『蔵書4670』を購入してちょっとだけ応援。
その他、巨大なケロロ軍曹が天井からぶら下がってたり、色々着ぐるみの人がいたり、何だか、色モノが多くなったような気が……。
と、その中では、農文協が、出版だけではない多彩な活動(野菜の通販までやってた)を様々な方法(蛇(ジムグリ)まで捕まえてきて見せてくれていた)で展開していて、これはこれで印象的。……と、書いていると、横から、あれはビオトープとか、教育関係者へのアピールを狙っているんだよ、という指摘が。なるほどなあ。確かに、全体的に教育系の出版社のブースは気合いが入っていたような。
最終日だけあって、人出も結構多かったが、安売りで人を呼ぶ場になってしまっているのがなんとなく謎(といいつつ買うものは買っているんだけど)。本来の商談などは、平日に終ってしまっている、ということなんだろうか。何となく、ターゲットがよくわからないイベントだなあ。
(2005年7月11日追記)
東京国際ブックフェア(正確にはその中のデジタルパブリッシングフェア)について、ITmediaがいくつか記事を出してました。
自動ブックスキャナについては、
ケータイもPSPも“本”に——デジタルパブリッシングフェア
Σブックについては、
ΣBookカラー版、試作機登場
を参照のこと。あれ、モックアップじゃなくて、試作機だったのか。
自動ブックスキャナについては、日々記―へっぽこライブラリアンの日常―のエントリー「自動ブックスキャナ」でもとりあげられていますね。
確かに、ちょっと見ると、本を壊しそうに見えるのですが、ページめくり時に紙を持ち上げる際には、非常に弱い空気の吸い込みで、かつ、接触面積を広くとって圧着させるために、下手に指で触るよりも紙にかかる力は小さいという説明でした。めくる際にページが滑ってアームの圧着面から外れていくようになっていたので、その摩擦が充分に小さければ、という限定はつきますが、下を向けてコピーをとるよりも、本への影響は小さいのではないかと思います。
余談ですが、和紙でもうまくページ(丁?)がめくれるのかどうか、ちょっと試してみたい気も……。
« 日本の植民地図書館 | トップページ | 植物画世界の至宝展 »
コメント