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2005/07/23

植物画世界の至宝展

 もう東京での開催は終ってしまったのだけれど……。『500年の大系 植物画世界の至宝展』(会場:東京芸術大学大学美術館 会期:2005年6月11日〜7月18日)から。
 英国王立園芸協会(Royal Horticultural Society: RHS)の創立200周年を記念しての巡回展。どうでもいいことだけれど、RHSに日本支部があるとは知らなかったなあ。
 当然ながら、RHS所蔵のものが中心なので、イギリス中心。ドイツ、フランス、オランダあたりはそんなにはなくて、ちょっとがっくり。「世界の至宝」っていったら期待するよねぇ……。黄金期の18世紀・19世紀だけではなく、現代の作家までかなりバランスよく配置されているために、若干、もの足りなさも。うーん、宣伝の仕方と内容が今一つ合っていなかったような。ただ、植物画の流れを一通り押さえる、という意味では、いい展示だったのかもしれない。
 基本的には、RHSが描かせた原画が中心だったようなのだけれど、ところどころ、版画(+手彩色)のものが何の注記もなく混じっていて、妙な感じ。芸大なのに、という気もしなくもなし。まあ、巡回展だから、芸大のせいにばかりはできないのだけれど、植物の解説だけではなく、制作技法についての解説も欲しかったなあ。
 同時開催は『柴田是真 明治宮殿の天井画と写生帖』(会期:2005年6月11日〜8月7日)。こちらは芸大所蔵品を展示。絶品。まったく予備知識なしに見たのだけど、圧倒されてしまった。ちなみに、後で、柴田是真(ぜしん)という絵師・蒔絵師は、海外で評価が高く、その作品の大部分は海外に流出してしまっている、という話を人から聞いて(たしか、是真のことだと思ったんだけど……)、何となく納得。

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はじめまして。柴田是真の記事でTBさせていただきました。内容の深いブログ、これからも読ませていただきます。

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