天神さんの古本まつり
先日、「第9回 天神さんの古本まつり」(会場:大阪天満宮境内 会期:2006年9月27日〜10月2日)に行ってきた。会期後半ということもあったのだろうけれど、あまりこれは、というものは拾えず。と、いいつつ買っているのだけど。
100円均一台では、労働問題系の資料が大量に出ていて、ちょっと切ない感じ。「組合対策」という意味での重要性が薄れたことと、働くことが抱える問題とをごっちゃにしてはいかんと思うのだけれど。
この100円台では、2冊購入。
『増加図書著者名目録 昭和15.1-16.3備付』協調会図書館 昭和15年7月
『岩波講座生物学[別項] 生物学関係雑誌書目調べ 編集後記』岩波書店 昭和5年11月
前者には協調会大阪支所の蔵書印とラベルあり。どうも大量に100円台に並んでいた労働関係資料は、この協調会大阪支所の旧蔵資料だった可能性が高い。協調会については、その資料を引継いだ大原社研のサイトにある「協調会史料」のページが比較的詳しい様子。ところで、戦後、この大阪支所の資料はどういう経緯を辿って、現在の散逸に至ったのだろうか。気になる。
岩波講座の方は、当時刊行されていた(この時点で廃刊されていたものも若干含まれている模様)生物学関係(農林水産学・医学関係を含む)の学術誌約500誌の一覧。編集後記の「雑誌名其他の調査は、主に実物の表紙によつたのでありますが、案外表紙に誤植が多いのです」という一文に、編纂作業の苦労を思う。
その他、各店のテントでは、次の三冊を購入。
『彷書月刊』2000年8月号 特集・満洲の異色学校
『最新 和本相場全集』古典社 昭和14年1月
『読書世論調査30年 戦後日本人の心の軌跡』毎日新聞社 昭和52年8月
『彷書月刊』は買い逃してた一冊。
『和本相場全集』は一冊の中身が前編・後編に分かれていて、後編は『古本年鑑・昭和八年版』(この時買ったやつかな?)に収録されたものとのこと(前編は新編集)。古典籍資料(漢籍等も含む模様)の当時の相場が分かる、という代物。大阪市北区天神橋筋の「畑幸雄書店」「幸文堂書店」(どちらも住所は同じなので、店名を変えただけみたい)の印あり。
『読書世論調査30年』は1947年から1976年までの調査の集大成。それにしても、この時期の月刊誌部門における『文芸春秋』と『家の光』の強さは尋常ではない。特に『家の光』の影響力はもっと語られてしかるべきではなかろうか。
とりあえず、来年に向けての反省として、虫よけを持っていくべきだったと激しく後悔。どういうわけか蚊が多い。本を持ったその手の平の端っこを、本の影に隠れた状態で刺されてしまい、痒いというより痛いほど(やっと痒み/痛みが引いてきた)。帰りの地下鉄でも待っている間に腕を刺されてしまうし。恐るべし、大阪の蚊。
あと、天満橋筋商店街の和cafe間に間に(「まにまに」と読むらしい)は旨かった。とはいえ、古本漁りに来たおっさん一人で入る店じゃなかったかも……。
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