天理図書館教祖120年祭記念展特別展示・11月・12月
えー、明けましておめでとうございます。昨年は終盤、更新をすっかりサボってしまったので、今年はもう少し何とかしたいものではあります。
さて、更新休止中に、「教祖120年祭記念展特別展示・11月 漢籍/一般展示 近世名家の自筆本」(会場:天理大学附属天理図書館2階展示室 会期:2006年11月22日〜28日)、「同・12月 インキュナブラ」(会期:2006年12月20日〜26日)のことを書きそびれてしまった。
11月の漢籍の方は、宋版とか元版がずらずら並ぶのかと思いきや、意外にも写本中心の構成。「漢籍」の枠組みの中に、日本において書写された古写本が含まれるというのは、頭では分かっても、やや不思議な感じが。とはいっても、国宝3点(うち2点は宋版)、重文2点はさすが。『永楽大典』もあり。敦煌文書の玄奘三蔵像といった資料まで出てくるあたりが、天理図書館のコレクションの幅を物語る。
12月のインキュナブラは、42行聖書の零葉や、『ニュルンベルク年代記』などの有名どころや、ユークリッドの『原論』や本草、医学書など、科学史系の資料に目配りが利いていたのが印象的。ただ、図録も含めて、タイトル等の表記が日本語のみなので、The Incunabula Short Title Catalogue (ISTC)などと対照できないのがつらいところ(いや、ちゃんと詳しい人は特に苦労しないのだろうけど)。雪嶋宏一『本邦所在インキュナブラ目録 第2版』(雄松堂出版, 2004)あたりを参照して勉強せよ、ということか……。
というわけで、今回の特別展示はこれで全て終了してしまった。1年間の月替わり、しかも展示資料の選定や図録の作成などの準備期間を含めて考えると、相当の期間と労力を要した展示会だったのではなかろうか。毎月の楽しみが無くなってしまって寂しいけれど、何はともあれ、天理図書館のスタッフのみなさんに感謝を。これだけのものを見せてもらえて、幸せでした。
……できれば、10年後(いや、5年後でもいいんですが)もよろしくお願いします。
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