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2008/02/11

落ち穂拾い(映画編)

 この間、見た映画は、

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』(監督:摩砂雪・鶴巻和哉 2007年)
ジャーマン+雨』(監督:横浜聡子 2007年)
カフカ 田舎医者』(監督:山村浩二 2007年)
ペルセポリス』(監督:マルジャン・サトラピ&ヴァンサン・パロノー 2007年)

だったかな?

 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』は、普通に面白く見られて、何となく安心した感じ。時期的に、新訳『Zガンダム』の影響とかあるのかな、と思っていたのだけど、公式にはそういう発言は作り手側からは出ていないような。はて。
 それはさておき、私の前の席で見ていたカップルの娘さんの方が、終わったとたんに、難しくてよくわからなかった、と、連れの青年に語っていたのが印象に残っている。彼はおそらく、テレビシリーズで直撃を受けた世代なのだと思うのだけど、何とか面白さを彼女に伝えようと熱っぽく語っていた。……のだけど、あまりうまく伝わっていない様子。予備知識なしに見た人を引きつけるのは難しいのかなあ。

 『ジャーマン+雨』は、(私にしては)珍しく実写。デジタルビデオ撮影(上映も)だったこともあって、ちょっと見ていて目が疲れた。が、主役にやられた感じ。父と娘の確執とか、お話の基本構造自体は、実は古典を踏まえているのかもしれないが、主役の性格付けや、キャスティングが見事で、普通ではない作品に。いかにもミニシアターっぽい、という側面も持ちつつ、幅広い層が楽しめる要素も詰め込んであるバランス感覚がすばらしい。
 ちなみに、見たのは京都みなみ会館でのプレ上映。監督と、出演しているひさうちみちおの舞台挨拶とトーク付きでお得だった。そういえば、ひさうちみちお(劇場に自転車で来ていたのがまた印象的)の演技がまたいい味出してた。

 『カフカ 田舎医者』は、一回見ただけだと、よくわからない……。映像として凄い作りだというのはわかる。あえていえば、もっと、映像の力でねじ伏せてくれてもよかった、という気もする(贅沢言い過ぎか)。まあ、何となくすごいものを見た、という感じは残ったのでまあいいか。

 『ペルセポリス』は、イラン出身の女性の半生をもとにしたグラフィックノベルを、その作者自身が監督としてアニメ映画化したもの。てっきり、CGかと思ったら、パンフを読んだら、原画と動画はほとんど手書きだと書いてあって驚愕。
 描かれている時代もあって、相当に悲劇的なエピソードが多いのだが(イラン革命とイラン・イラク戦争の時代だったりするので)、あくまで笑いを忘れない作り。見ている間は、ゲラゲラ笑って見ていられるが、冷静になってみると、原作者兼監督の、自分自身の体験を相対化する力に圧倒される。
 ほとんどのシーンがモノクロでありながら、なんというか一種カラフルな印象さえ残る映像がすばらしい。キャラクターはシンプルなようでいて、きちんと年齢の変化を反映させる芸の細かさ。それぞれのキャラクターの動きの芝居がまたいいのだが(特に子供時代とか)、何と、監督自身が全てのキャラクターを自分で演じてみせたビデオを作り、それを参考にアニメーターが作画したのだとか。また、短いテンポで畳み掛けていくカット割りは、日本のアニメを見慣れた目にも違和感がない感じ。
 今回あげた4本の中では、一番安心して誰にでも薦められる(他は人を選ぶ)。それにしても客が少なかった……。もっと入ってほしいなあ。
 ちなみに、見た後、戦後日本において、軍と国教(国家神道)と王権が、少なくとも政治的な影響力という意味では解体・変質させられたことの「幸運」を、強く意識してしまった、などというと、建国記念日を意識し過ぎか。

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コメント

「俺たちフィギュアスケーター」、すっごく面白かったよ!

あ、確かに、「俺たちフィギュアスケーター」は面白そうです。気になる。

みたいですね!!
映画!
もっとオススメしてね!!

ついに図書館のすぐれちゃんが神奈川県のホームページで必読、推薦図書に!
新宿講演も行ったとか?
応援よろしくお願いします!

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