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2021/09/13

『文献』(明治堂書店)第四号(昭和三年十一月)

久しぶりに昼間に少し時間が取れたので、神保町で古書店の平台を覗いたりしてふらふらと。

店の中までじっくり見て回ったわけでもないので、特段収穫というほどのものはなかったのだけど、明治堂書店の古書目録+古書関係エッセイ雑誌の『文献』第4号(昭和3年11月)を入手。結構面白かった。

後で確認したら、国立国会図書館所蔵本は布川文庫だった。ゆまに書房から1993年に復刻版(書物関係雑誌叢書 第16巻 (書誌書目シリーズ 34))も出ている。

表紙裏には、明治22年刊の『須多因氏講義』の広告。同書を創刊号に掲載したところ注文殺到、「今回当時の売買書肆の倉庫に残りしもの不思議にも震災の厄を免れて」入手できたので廉価でお薦めできると売り込んでいる。

タイトルページには、服部応賀『活論学門雀』初号上冊序文を引用。(同書は、早稲田大学所蔵本がデジタル化され、公開されている。)

以下、目次を若干の覚えとともに紹介しておく。

「元禄二年江戸の本屋(江戸図鑑綱目乾諸商人無類之分並本屋家書より)」ページ付けなし(2ページ)

※(メモ)近代に入っての書店、古書店の増加状況について、各種名簿類との比較での附記あり。

「スタチスチツク社沿革概要」ページ付けなし(1ページ)

※(メモ)「明治九年二月有志の士十余名「スタチスチツク」研究の為一社を興し杉享二君を推して社長となし称して表記学社と云ふ」とのこと。スタチスチツク社については、総務省統計局の「スタチスチツク雑誌」の紹介を参照のこと。

海岳堂主人(経済学博士)「先づ文献目録の蒐集から」p.1-3

※(メモ)研究に先立つ資料収集のノウハウについてのエッセイ。まずは文献目録を揃えるところから、という話。カードへの書抜きによる集めた情報の整理についても論じている。著者は誰なのだろう。

中川善之助「クランマーのことども」p.4-11

※(メモ)ヘンリー八世の離婚に免許を与えた僧侶Thomas Cranmerの事績と、関連書の収集についてのエッセイ。民法の専門家らしく、離婚法における重要人物として、クランマーについて言及している。英国オックスフォードに滞在していたようで、クランマーについて知るや否や、ゆかりの地を探し、著作を古書店に注文するなど大変活動的。「穂積先生の論文でその略伝を読んだ」の穂積先生は、穂積重遠か。

齊藤文蔵「近感四片」p.12-19

※(メモ)「維新史料蒐集の思出で」「南蛮史料展覧会」「初版購求の悲哀」「江戸城建築史料展覧会」のエッセイ4本。「維新史料…」は維新史料編纂事務局在籍時に資料収集をどのように行なったのかの回顧。体系的に収集した武鑑などの資料は、関東大震災で焼けてしまったらしい。

藤田徳松「参児制限論に関する書物二三」p.19-22

※(メモ)明治期の参児制限論に関する資料の紹介。

「編輯者のページ」p.23-24

※(メモ)「故宮崎博士の遺書」「岡本卯之助氏とその遺書」の2本。末尾に「T・M・記」とあり。「宮崎博士」は「前帝国大学法学部教授宮崎道三郎博士」のこと。「鎌倉時代の古文書を初め」とした和漢洋の珍籍を収集していたそうで、「過半母校研究室に納め」られたとのこと。おそらく、東京大学法学部法制史資料室所蔵コレクションの一部をなしているのでは。岡本卯之助は三井物産に勤務し、商学関連の資料を中心に美本を集めていたとのこと。

「新集古書販売目録 昭和三年九月、十月中蒐集」

※(メモ)エッセイ部分とページ建てが別で和書53ページ、洋書11ページあり。赤丸の書き入れがあり、旧蔵者が注文したか、注文する候補にした本がどんなものなのかがうかがえて、ちょっと面白い。なお、前項によれば、岡本卯之助旧蔵資料が、「商業史」の項に掲載されているとのこと。

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