うーん、読書が進まない……。というわけで、気になったネット上の文章についての雑録。
「暴露本出版社」が「言論の自由」と「報道被害」について考える
版元ドットコムの出版社リレーエッセイから。実は「出版差し止め仮処分」というのは、既にレアケースではない、ということに一番びっくりした。『週刊文春』のケースでも、司法の側は日常的な判断をしただけ、ということなのだろうか。
マスコミがらみでは、萬晩報の「アテネの空を覆うテロの脅威」も、うーむ、という感じ。出版されたものが情報として偏ってしまっていては、図書館が偏らない情報を提供しようったってどうにもならないからなあ(図書館がちゃんとやっているかどうかはまた別の問題だけど)。
日本の古本屋メールマガジン 2004年1月28日 第11号
日本の古本屋では、参加古書店の在庫データを集約したデータベースを検索して、各古書店に購入を申し込む、という仕組みがある。それを使って購入した利用者から、参加古書店を評価する仕組みを導入してほしい、という希望が寄せられていることに対する反論など。
「ほとんどの参加店がインターネット専業ではなく」、「「日本の古本屋」上で評価されれば、あたかもそれが、その古書店全体の評価であるように見えてしまう」という危険性は確かにある。「インターネットという媒体に慣れていない古書店も多い」のもそれはその通りだろうと思う。
ただ、だから評価は導入できない、というのではなくて、客と古書店の間でのやり取りを、インターネット上でどう確立するのか、ということを考えた方がいいような。まあ、それは「日本の古本屋」という仕組みの中でやるというよりは、個々の古書店の経営方針に応じて、ということなのかもしれない。
内田樹の研究室 無印良政治家(2004年5月15日)
最近、MacOS Xに移行したらしい内田樹のWeblog。年金未納問題を入口に、求められている政治家像に関する議論を展開。相変わらず、ポジションの取り方が絶妙。「せめて、「よりましな制度を作る」ために鋭意努力をしている姿勢くらいは示してもよろしいのではないか」という発言にはぐっとくる。前日の「無印の悪いおじさん(2004年5月14日)」も併せて。
nobilog2 ビル・アトキンソン講演:私の人生とMacintosh(2004.5.13)
Macコミュニティの底力というか、業の深さというか。Macユーザーである私は、こういうのって、いいなあ、と思ってしまうのだけれど、そうでない人にとってはどうなんだろう。オープンソース系のコミュニティともまた違うんだろうか。よくわからない。
Smalltalkネタでコメントが異様に盛り上がった「Mac(Lisa)誕生の背景をアトキンソン氏が明かす(2004.5.9)」も、よくわからないがすごい。ただ、MEMEXのビジョンに、今の電子図書館像は縛られすぎているような気もしているので、個人的にはちょっと複雑。
(追記)
山形浩生「自由には必ず責任伴う」(Be on Saturday 2004.5.15)
asahi.comなので、リンクはそのうち切れてしまうかもしれないけれど、一応。(紙の朝日新聞土曜版Be businessにも掲載。縮刷版にも入るのかな?)
以前から半端なNGO/NPOに批判的だった(ような記憶があるんだけど、根拠の文章が見つからない……)山形浩生ならではの愛の鞭。なるほど、まっとうなNGOというのは、こういう厳しい認識の上で活動しているものなのか。
ちなみに、個人的には、どうしてみんな自己責任論と自己責任否定論に(簡単に)熱くなったのか、という分析が読みたいのだけれど、誰か書いてないのかなあ。
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